近藤誠

健康診断や人間ドックで「異常」が見つかれば、それまで元気に生活していた人も治療を受け、薬を飲むようになります。そうすれば病院など医療産業は儲かるわけです。実際、「痛い」「苦しい」という自覚がある人だけを相手にしていたら、医療産業は成り立たないのです。 健康診断や人間ドックに、将来の病気を防ぎ健康寿命を延ばすといった効果は期待できません。そもそも健康な人に見つかる高血圧や高コレステロール血症などの生活習慣病は、痛い、苦しいといった重大な自覚症状がなく、単なる老化現象かその人の個性であって、本当の病気ではないのです。